西洋医学(現代医学)では、腰痛を以下のように捉えます。
- 筋筋膜性腰痛
- 椎間関節、仙腸関節性腰痛
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰椎すべり症
などなど…。
これらは全て「腰」がどのような状態で「腰痛」を発症しているのかを診ています。腰痛の症状のみをみています。
腰痛の種類
一言で腰痛といっても痛みの出る原因や部位も変わってくるのでご紹介していきたいと思います。
①筋・筋膜性腰痛
この腰痛は単純に筋肉と筋膜が障害される事で起こります。
痛みの出やすい部位です。症状は腰の上の方の痛み、左右どちらかの片側の痛み、前屈で痛みが出るなどです。原因は長期間のオーバーワークや筋の過緊張によって筋の酸欠や疲労物質の蓄積で起きる循環障害です。
②姿勢性腰痛
腰椎前弯の増強、いわゆる反り腰です。反り腰で猫背にもなったりします。
症状は持続する鈍痛、ツッパリ感などで慢性に経過していきます。
原因は背筋、殿筋、腹筋の弱体化、骨盤前傾の増強などです。
③椎間関節性腰痛
椎間関節部に起因する加齢による腰痛です。
症状は腰の下の方の痛み、お尻の痛み、足の痛みや痺れ感です。
原因は滑膜の炎症、関節軟骨の摩耗、関節包の緊張・肥厚です。
④変形性脊椎症
加齢による腰部椎間板の変性、椎間腔の狭小化により椎間関節、筋肉に影響が出ます。
40〜50歳代の方に多いです。
症状は慢性的な痛みや、同じ姿勢から次の運動に移る時、起床時等の動作開始時に痛みを感じますが動いてるうちに軽減してきます。
原因は椎間板突出や椎間関節部の肥厚や炎症です。
以上の他に腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離症・すべり症、梨状筋症候群などの疾患も絡んできます。
病院で行う腰痛治療
痛みと炎症を和らげるために薬と注射で治療を進めるのが基本です。ただし、薬物療法(投薬治療・神経ブロック療法)はあくまでも痛みを抑える対症療法であり、病気そのものを治すものではありません。状況によっては、理学療法や外科的治療などが必要になるケースもあります。理学療法は、運動機能に問題がある人の機能回復を図って、できるだけ早く社会復帰させるための治療です。医師の指導のもとで、理学療法士によるリハビリが行われます。
投薬治療に用いる薬の種類
腰痛治療の薬には次のようなものがあります。
非ステロイド系抗炎症薬
代表的なものに、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシンなどがあります。市販薬にもよく使われているので、耳にしたことのある名前も多いでしょう。痛みを増強する体内物質プロスタグラジンの生成を阻害して、腰痛を和らげます。
オピオイド
麻薬性鎮痛剤の総称で、強い腰痛に用いる薬です。オピウムとは、ケシの実からとったアヘンを意味します。麻薬性鎮痛剤といっても、適切に使用すれば、依存症に陥る心配はありません。神経の伝達を抑制し、つらい痛みを抑えます。鎮痛効果が高い反面、便秘や吐き気などの副作用が起こりやすい傾向があります。
アセトアミノフェン
副作用が少なく、安全性の高い解熱鎮痛薬です。炎症を抑える作用はほとんどありませんが、穏やかに痛みを抑える働きがあります。一般的な腰痛に処方されるほか、偏頭痛、歯痛、生理痛などにも効果を発揮します。非ステロイド系抗炎症薬との併用も可能です。
筋弛緩薬(きんしかんやく)
痛みによる筋肉の緊張が、さらに痛みを助長する場合があります。このようなケースでは、筋弛緩薬で筋肉のコリやこわばりを解きほぐし、血流を促します。
抗うつ薬
本来はうつ病の治療薬ですが、長引く腰痛にも使用される場合があります。痛みを抑制するする経路(下行性疼痛抑制系)の働きを活性化し、鎮痛効果を発揮します。
神経ブロック療法
腰痛の程度が強い場合は、神経ブロック療法が行われる場合があります。神経ブロックとは、局所麻酔薬などを注入して、痛みを伝える神経を遮断(ブロック)する方法です。主にペインクリニックで行われています。痛む部位にピンポイントで効くのが特徴です。また、多くの痛み止めのように、胃腸や肝臓・腎臓に負担をかけることもほとんどないでしょう。ただし、神経の周辺に注射するため、神経そのものを傷つけたり、出血・感染を起こしたりする可能性があります。
その場の痛みをとるだけではなく、「根本的に治したい」「腰痛を繰り返したくない」方は、整体をお勧めいたします。