「最近うんちが出てないなあ」と思ったら、なんだか腰も痛い・・・。便秘だけでも気が重いのに、そこへ腰痛まで重なると、仕事も家事も、とても身が入るものではありません。
実は便秘を放置すると、腰の痛みにもつながってしまうことがあります。それは、お腹のなかのコンディションが悪化して、さまざまな悪さを働くからです。
便秘で腰が痛くなる理由
便秘で腸に古いウンチが溜まってしまうと、さまざまな弊害が起こります。それらは腰痛を引き起こす原因になります。
1. 悪玉菌が増え、有害物質を放出する
腸内にとどまったウンチは、悪玉菌のエサ。悪玉菌たちはどんどん増えて、さかんに有害物質を放出します。これらの有害物質は腸壁から取り込まれて、血液の質を悪くしてしまいます。
血液は体じゅうの細胞に栄養や酸素を届ける大切な運搬役。有害物質を含んだ血液が全身をめぐれば、腰の筋肉細胞にも悪影響が出ることがあります。通常なら体を休めれば排出されていく疲労物質や痛み物質が、うまく排出できず溜まってしまい、痛みが生じることもあるのです。
2. 神経を圧迫する
頑固な慢性便秘の場合、大量のウンチが腸に溜まっていることがあります。また、悪玉菌や悪玉に傾いた日和見菌がガスを放出するので、ガスだまりができることもあります。
腸管に異常に圧力が加わると、腸は助けを求めて脳にSOS信号を送ります。信号を受け取った脳は、その周辺の筋肉に「痛め!」と命令を出します。
このとき腰と腹部は近くにあるので、腰に痛みを感じてしまうことがあります。
内臓には痛みを感じる神経が存在しないため、このようなややこしい手続きを踏まないと、私たちは内臓のトラブルを知覚することができません。そのせいで、腸の痛みと腰の痛みが混線することがあるのです。
便秘とは便が出ない状態が続くことを言いますが、実は決まった定義はありません。
本人が「便が出なくて苦しい・・」と感じると便秘となります。
厚生労働省によると、自覚症状を持っている人は成人の約14%に上り、実に日本人7〜8人に1人が便秘の症状に悩まされていると言われています。
できることなら、薬に頼らず、毎日すっきり過ごしたいと思っている方も多いはずです。
そこで、今回は便秘に効くツボをご紹介します。また、今回ご紹介するツボは便秘だけでなく、下痢にも効きます。
便秘と下痢は逆の状態のように思えますが、実は両方とも腸の働きが悪いせいで起きる症状。
便秘も下痢も、一番の原因は腸の動きが鈍っていること。腸を活性化させるツボを刺激していきましょう。
便秘や下痢に効くツボ
◆腸の働きを正常にする
・大腸兪(だいちょうゆ)
見つけ方
ベルトを締めるライン上(骨盤の一番高い所)で、背骨から左右それぞれ指2本分外側。
押し方
両方の親指で、両側からおへその方に向かって押すようなイメージ
◆腸全体の働きを良くする
・天枢(てんすう)
見つけ方
おへそを中心に人差し指を当て、左右真横に指幅3本分を測る
押し方
両方の人差し指で、左右同時に身体の中心に向かってゆっくり押す。
◆下痢・胃腸の働きを調整
・合谷
見つけ方
親指の骨と人差し指の骨が交わる部分を探す。その少し上(人差し指側)が目安。
押し方
骨のキワから裏側へと引っ掛けるようにして押し上げる