耳は、音を集める外耳、音を伝える中耳、音を感じる内耳より成り立っています。西洋医学では、耳鳴りはこのルートのどこかに障害が起こることで発症すると考えられていますが、そのメカニズムは詳しく分かっていません。
加齢による聴力の低下から突然耳鳴りがはじまることもあれば、ストレスや過労が原因となる場合もあります。最近増えている働き盛りの年代や子供の耳鳴りは、ストレスや疲労の蓄積の影響もあるようです。その他、肩こり、顎関節のゆがみ、メニエール病、難聴、貧血、高血圧、その他重篤な病気が原因となる場合もあります。
西洋薬では、内耳の血流改善を目的に循環改善薬(アデホス、カルナクリンなど)や内リンパ腫改善薬(イソバイドなど)、ビタミンB12製剤(メチコバールなど)、ストレスなどの改善を目的に精神安定剤(デパス、リーゼ、ソラナックスなど)、その他原因の症状に対する薬などが一般的に用いられるようです。
耳鳴りで疑う病気
突発性難聴
突然、片耳(まれに両耳)の聞こえが悪くなる病気です。めまいや耳鳴りをともない、原因は不明ですが、ウイルス感染や血流障害、ストレスと言われています。
急性低音障害型感音難聴
耳がつまるような症状あらわれたり、低音が聞こえにくくなる病気です。何となく聞こえにくいという症状が多く、耳鳴りを伴うことがあります。
メニエール病
内耳に内リンパ液が溜まることで平衡感覚が崩れ、めまいや吐き気が起こる病気です。耳鳴りや難聴、耳閉感を伴うことがあります。
中耳炎
風邪などでウイルスや細菌に感染し内耳に炎症が起きることで耳の痛みや発熱が起こる病気です。耳鳴りや難聴などを伴うことがあります。
耳鳴りは、耳のトラブルの中でも多い悩みのひとつです。検査をしても耳の異常はなく、様々な治療をしても一向に良くならない場合もあります。
最後に、、、
耳鳴りの原因は多々あり、現時点で全ての耳鳴りに有効な治療法は確立していないといわれています。人によって感じ方が異なることもあり、西洋医学でも完治が難しく慢性化しやすい疾患です。
東洋医学でも耳鳴りの改善は時間がかかることもありますが、体のバランスの崩れを整えていくことで良い方向に向かうこともあります。
特に、原因がはっきりとわからない耳鳴りに対して鍼灸治療や整体、漢方薬が有効な場合は多いです。